201【逆説︰phが高い地域の苔対処法、水草の維持法】
(はれ)
お疲れ様です。
phが高い地域では、よほど神経質に苔を除去しなければ、ほんの少しの苔でも増殖し、どうしても苔が多く発生してしまいがちです
またphが高いと水草の栄養吸収が悪くなる為、成長が遅くなったり、大きく育たなかったりします
農業で土が肥えた土地というのは栄養量とphに関係しており、野菜などの育成などで地域により育ちに差がでるのはこの為だと思いますが
いずれにせよ、植物にとってphはとても重要な意味を持つことはネット情報に溢れています
ただその地域で育てているわけですから、phが高いのは仕方がありません
今回、phが高い地域でも“なるべく”水草が綺麗に育ち、苔が出にくい環境をつくることを考察します
地元地域のショップでは、プロでも悩ましい問題なようですね
特に高ph地域での苔対策について、対策中である私が考える改善方法を記載します
何れも方法は諸刃となる内容で、結果的にリスクを伴うものとなります
地域の水質にもよるので、あくまで参考となればと思います
[苔対策]
- 苔の予備知識
- 苔の栄養を奪う
- リン酸塩・ケイ素を溜めない
- 光を調整する
- 苔取り生体で対処
[水草の成長を維持する]
- 総合液肥を控える
- phを調整する
- phに馴れさせる
- GHを下げる
苔対策
苔の予備知識
苔の発生、成長は光、水、栄養(リン酸塩・ケイ素)です
水草がそれらの栄養を吸収し水槽内に残さなければ、苔は発生しにくくなります
水槽内は、水草と苔の“栄養の取合い合戦“で
苔が勝っても、水草が勝っても水は浄化され、水質は自然に安定し始めます
ネットでも記載されるように、phを“常に低く保つ“ことができれば、何も難しくありませんが、高ph地域においては、人工的にphを低くしても、持続は難しく実際phの変動差はかなり大きい為、水草の成長は阻害され、苔を出さず綺麗に水草を育てることは困難となります
時期によりますが、私の地域水道水はph7.0〜7.6です
8は今までありませんでしたので、ph8の地域は記載以上の対策をしなければなりません
また、硬度が高い場合もさらに設備を整えなければなりません
尚、私は兵庫ですが同じ関西でも懐事情での水処理施設の関係か大阪市内の水質は良いですw
また、殆どの苔対策薬剤を利用しましたが、その後の水草の成長が阻害されるものも多いので、水草というデリケートなものがメイン水槽であれば、お金をかけるだけ無駄だと思います(散財人)
苔の栄養を奪う
苔の原因は、光、水、栄養(リン酸塩・ケイ素)
まず第一に苔の栄養となる、水槽内のリン酸塩・ケイ素を濾材により吸着させます
いろいろとありますが、リン酸除去剤を規定量(多い場合は規定以上)入れます
安いもので2000円程度です
リン酸塩・ケイ素を溜めない
リン酸塩は水槽内に溜まり鉄と融合しリン酸鉄になり蓄積されていきます
嫌気をつくらないように、水槽フィルターを2台置ければ良いですが、費用もかかるので、フィルターの流量を上げることで、水を水槽隅々まで行き渡らせます
[フィルター]
- 濾材を減らす
- リン酸除去剤を入れる
- スポンジ(綿の方)を撤去
上記で兵糧攻め準備完了です
私の60cm水槽ではエーハイム2213の濾材全て撤去し、軟水剤リバースグレインソフト、リン酸除去剤のみとしています
光を調整する
フィルターの流量を上げ、嫌気解消したことで、苔の栄養源を遮断し、発生、成長を抑制します
次に光量を減らす、またはなくすことで、苔を弱らせます
ただ、これは水草の成長にも影響を及ぼしますので、水草が弱っているときに消灯すると水草の方が負けてしまうことがある為、水草の状態を見て判断することとなります
また、水草をトリミングした後はエネルギーを必要とする為、消灯しない方が良いと思います
苔取り生体で対処
ひょろひょろになって弱った苔を生体に食べてもらいます
上記、綿状の苔は食べる生体を今まで見たことがありません、ただまとまっており、手でも簡単に取り除くことが可能です
水草の成長を維持する
総合液肥を控える
昔は蛍光灯で光が弱く水草を綺麗に成長させること自体ハードルが高かったようです
苔根絶まではその通り行えば難しくないと思いますが、苔の原因根絶と水草の成長は諸刃とも言えます
なぜなら、栄養面で考えるとリン酸塩やケイ素は水草の栄養素でもあるからです
リン酸、窒素は葉を大きく(萎縮させない)するのに重要です
ですから、苔の根絶方法(光、リン酸減少)と水草の育成はセットで考えなければなりません
総合液肥(微量元素)を入れると、苔の発生原因にもなりかねません
見た目苔がなくなった後は、少しの間カリウム以外の液肥は控えた方が良いと思います
私は当面液肥を控えた後、アマゾニアソイルを肥料として入れています(水に溶け出すので総合液肥代わりにもなります「微量元素も多い」。)
phを調整する
水草が栄養を吸収しやすい状態は
- 元気で健康であること
- ph6.5〜6.8
まず、水草が元気でなければ栄養吸収力が半減してしまいますので、苔の対処前、対処後も水草がある程度元気な状態で苔対策を行った方が良いです
CO2を気持ち多めに入れることでphを少し下げることが出来ます
phを下げるソイルを沢山入れても、なおph7以上の硬度の高い水槽はph降下剤(テトラphマイナスなど)を使用します
[デメリット]
- 急にphが下がることで、生体がphショックを起こす可能性があります、良く撹拌すれば問題は少ないはずです
- phが下る効果は長続きせず、通常よりも1日のph落差が激しくなります
私の場合、それでも下がりにくい場合はクエン酸を足したりしています
効果は明るい時間だけ続けば良いです
※クエン酸水はガラス掃除にも使っていますw
ph対応幅の広い水草を植える
ウィステリアやアンブリア、ルドヴィジアなどいわゆる強い水草を当面の間植えると、他の水草が吸収しにくい栄養を吸収してくれます(強いので)
また、沢山の水草を植えることがポイントで、沢山の水草がミネラル分を吸収することで水の硬度が下がり、水がピカピカになり、水質安定と繋がっていき、育てにくい水草(ph対応幅が狭い等)も育つようになります
このバランスが崩れると、育てにくい水草から弱り始めます
なので、水草が黄化するなどの症状が現れる前に液肥などで栄養を補う必要があると言われる所以です
これはあくまでも沢山の水草が植わっており、水槽内が貧栄養となる手前の中間の状態を指しています
phに馴れさせる
これは私見ですが、水草も時間をかければ、phに順応するものと思います
硬度にも馴れると思いますが、栄養吸収が阻害され、一回り小さい状態で成長することがあります
縮れる場合、窒素、リン吸収が悪くなっていると思いますが、馴れてくると大きくはなりにくいですが、ある程度吸収範囲が広がり、少し大きめに成長をし始めると思います
phに馴れたと思われる45白い岩山レイアウト
ph調整はしてますが、100%ではないにせよ、ある程度育ちます
ph,GHに馴れたと思われる、渓谷レイアウト60
馴れたと感じれば、ph調整はたまに行う程度に
GHを下げる
GHが高いということは、硬水ということで、硬水はミネラルで、ミネラルとはマグネシウム、カルシウムです
硬度が高いと水草が必要とする鉄、CO2などの吸収が阻害されます
逆に硬度(マグネシウム)が低いとリンの吸収が阻害される可能性もあるとのこと
日本で売られる水草の殆どが軟水を好むものですので、やはりGHを下げなければなりませんね
GHを下げるには
浄水器内にイオン交換樹脂を使います
また、フィルターに入れるリバースグレインソフトを使います
上記方法は、日本国内における、phが高く且つ硬度が高い地域でも有効な方法ではないかと思います
ph、GHが高いといろいろと面倒ですが、水草が順応してくれば、費用は驚くほどはかからないと思います
水草が縮れてきたからといって諦めるのは、早いかもしれませんよ。